歯周病は、口臭や歯を失う原因になりますが、本当に怖いのは、三大疾病のリスクが高まることかもしれません。
三大疾病というのは、がん、心筋梗塞、脳卒中のこと。さらに、最近では、歯周病と認知症との関係が注目されています。歯周病により、脳にアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβ蛋白(Aβ蛋白)の蓄積が早まるそうです。
心筋梗塞や脳卒中になっても、歯周病との関連を疑う人はいませんし、病院でも”あなたの心筋梗塞は、歯周病が原因かも!”なんて説明はしないでしょう。
逆に、歯医者へ行ったときに、”歯周病をほおっておくと、心筋梗塞になりますよ”と言われた人はいないと思います。
だからこそ、”歯周病”と”心筋梗塞”などの三大疾病が、頭のなかで結びつかないわけですが、毎日のデンタルケアが、将来の三大疾病や認知症の予防につながるのであれば、一石二鳥ですね。
30~50歳代の約8割が歯周病!
厚生労働省の2017年の調査によれば、歯肉炎と歯周疾患の総患者数は約398万3千人。
2014年の調査より、67万人も増加しているそうですが、高齢化がすすんでいるとはいえ、2割増!
30~50歳代の約8割が歯周病とのことですが、60歳代では9割が歯周病。
歯周病を患っていないひとはいない、と言ったほうがいいかもしれません。
そんな歯周病のリスクについて、日経新聞でもたびたび取り上げられています。2019.12..22の記事では、「歯周病は万病のもと 肺炎などのリスク、放置せず治療を」のタイトルで注意喚起!
歯周病が原因でおこる可能性がある三大疾病とは?
三大疾病とは、次の3種類の病気のこと。
- がん
- 心筋梗塞
- 脳卒中
生命保険を付けるときによく聞きますが、なぜこの三大疾病と言われるのでしょう。
保険会社「アフラック」によれば、この3つの疾病に着目する理由を次のように説明しています。
- 死亡者数が多い
・この3つの疾病で死亡者数の約半数を占めている。 - 入院期間が長い
・厚生労働省の調査(2017年)によれば、ガンの平均在院日数は17.1日、心疾患:19.3日、脳血管疾患:78.2日! - 治療費用が高くなることがある
・入院期間が長くなれば、治療費も高額になりますが、自己負担割合の改定でますます・・・。
なぜ歯周病が重大疾病の原因に?
米国の調査によれば、歯周病が引き起こす体内の炎症反応が関係していて、がんの罹患率を約14%高めるとのこと。
動脈硬化を起こした血管内にたまった物質からは、コレステロール以外にも、歯周病菌が検出されているようです。
認知症と歯周病の関係
九州大などの研究チームによれば、マウスに歯周病菌を投与したところ、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβ蛋白(Aβ蛋白)が、投与していないマウスに比べて約10倍検出され、記憶力も低下したそうです。
アミロイドβ蛋白は、脳細胞を傷つけて、脳(海馬)の体積を減少させ、アルツハイマー型認知症を発症すると、軽いもの忘れが始まり、認知機能の低下が進みます。
やっかいなのは、すぐにアルツハイマー型認知症の症状が出るわけではなく、歯周病の原因菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入し、Aβ蛋白が体内でつくられ、少しづつ脳に蓄積していくこと。
人間では、Aβ蛋白の脳内での蓄積が始まってから、20年ぐらい経ってからアルツハイマー型認知症の症状が出るとされています。
発症すると、5年ぐらいで要介護になるようですが、歯周病を予防するには、若いときからの口内ケアが大事になります。
東北大学のマウスを使った研究では、「ノビレチン」という成分が、抗認知症成分として有効であることがわかったそうです。
アミロイドβ蛋白が蓄積するのを予防し、アミロイドβ蛋白が既に蓄積している場合には、治療効果を有することが示唆されたとのこと。歯周病とは直接関係ありませんが、すでに歯周病の方にとって明るい情報であることは確かです。
糖尿病にも歯周病が関係している!
3大疾病ではありませんが、糖尿病にも歯周病が関係しているようです。
歯周病菌が出す毒素によって、白血球や脂肪細胞が活性化されることで、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が下がりづらくなります。その結果、糖尿病の原因に。
歯周病を治療すると、血糖値が下がることがわかっているそうですから、あきらめないことが大事です。
歯周病対策のケア法は?
歯周病対策として、次のような口内ケアが効果的!どれも簡単なようですが、正しく習慣的に続けるのは、なかなか難しいようです。
- ていねいな歯磨き
・中高年は、毎食後のほかに就寝前の4回!
・ブラッシングは5分 - 歯医者での定期的な歯石除去
・歯医者で、歯石除去などの口腔内ケアを定期的に行う。
・推奨は、3ヶ月に1回 - 唾液の分泌をうながす
・口を動かしたりマッサージすることで、唾液の分泌がうながされ、細菌を洗い流します。 - 殺菌力がある液体でうがい
・洗口液や殺菌力のあるカテキンが入った緑茶などで口をすすぐ。
どれもけっして難しいケア法では無いですが、続けようと思うと、なかなかできないのが現実。
とくに、”1日4回の歯磨き”と”5分のブラッシング”は、やったこと無し。
歯医者さんでの歯石除去も、3ヶ月に1度が理想ですが、年1~2回行ければ良いほう。
口内ケア、デンタルケアの基本は、やはり正しいブラッシングですが、できれば歯間ブラシとフロスを使って、しっかり歯垢を除去したいところです。
一番簡単で続けやすいのは、”殺菌力がある液体でうがい”、つまりマススウォッシュでしょうか。
歯周病は、痛みなどの自覚症状がなく、歯医者へ行くのが嫌いな人が多いので、ますます治療が遅れます。
重大疾病や糖尿病などの症状が出る前に、早めに適切な口内ケアをはじめたほうがよさそうです。
マススウォッシュにもいろいろ種類がありますから、ご自分の目的と予算に合ったものを探してみてはいかがでしょう。
口内にも、腸内とおなじような口内フローラがあり、善玉菌と悪玉菌のフローラバランスが乱れると、悪玉菌が優勢になって、食べかすの分解による口臭の原因になったり、歯周病が進行することになります。
わかもと製薬「アバンビーズ オーラルタブレット」には、WB21乳酸菌が3粒あたり約10億個(製造時)配合されていて、善玉菌を増やすことでフローラバランスを整えます。
WB21乳酸菌は、唾液中に存在していて、優れた増殖性と粘膜付着性を発揮する善玉菌で、口の中で、プロバイオティクス作用を発揮することが期待されています。ぜひ、参考にしてください。
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