ある歯科クリニックのブログタイトル!
100歳まで病気にならないロイテリ菌(乳酸菌)
ロイテリ菌は、歯周病や口臭などの口腔ケアで注目されている乳酸菌ですが、もともと哺乳類や鳥類の消化管に生息している乳酸菌の一種です。
”100歳まで病気にならない”との文言を、そのまま信じる人はいないでしょうけど、ロイテリ菌には、ヒトの健康に役立つさまざまな可能性があります。
ロイテリ菌は消化器系がんとピロリ菌に効く?
ロイテリ菌は、歯周病などへの口腔ケアだけでなく、アレルギー性皮膚炎、便秘、胃酸抑制剤との併用することでピロリ菌の除菌に成功したとの研究結果もあるようです。
ピロリ菌は、胃潰瘍や胃がんの原因になるとも言われますから、もし、ロイテリ菌がピロリ菌にも働くとすれば、健康長寿の夢じゃない?
国立がん研究センターが発表した最新の統計データによれば、2018年度のがんによる死亡原因は、男性の場合、1位「肺がん」2位「胃がん」3位「大腸がん」。
ちなみに、女性のがんによる死亡原因は、1位「大腸がん」2位「肺がん」3位「膵臓がん」で、「胃がん」は4位。
性別・年代によっても、死亡原因となるがんの種類が違いますが、消化器系のがんで死亡する人が多いことがわかります。
日本人の胃がんの99%はピロリ菌が原因!?
日本人の場合、胃がんの原因の99%がピロリ菌によるものと言われ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化器系の疾患では、ピロリ菌の感染率が高いそうです。
ちなみに、ある資料によれば、消化器系の疾患に関するピロリ菌の感染率は、以下のようになっています。
ロイテリ菌で”100歳まで病気にならない”は、誇大表記とは言えない?
ロイテリ菌によってピロリ菌の増殖が抑えられたとしても、すでに罹患した胃潰瘍や胃がんが治るわけではありませんが、将来の罹患リスクは軽減されると考えられます。
ピロリ菌を除菌するには?
ピロリ菌は酸に強く、胃の中でも棲むことができる特殊な能力を持つ細菌です。
感染経路として、井戸水から感染と言われてきましたが、現在では井戸水を飲むことはほとんど無く、乳幼児のときに、母親などからの口移しなどで感染すると考えられています。
いったんピロリ菌に感染すると、食生活や通常の治療で殺菌するのは難しく、抗生物質による専門の治療が必要になります。
治療には段階があり、はじめの一次除菌でピロリ菌が消える確率は80~90%、もし除菌ができなければ二次除菌の治療に移ることになります。
一次除菌では、抗生物質を1日2回、1週間飲み続けますが、副作用の可能性があり、途中で止めると除菌に失敗します。
二次除菌でもピロリ菌が消えなければ、一生ピロリ菌と付き合っていくことになりますから、用法用量をきちんと守って治療を続けなければなりません。
乳酸菌でピロリ菌は除菌できる?【実体験】から
ロイテリ菌の話をする前に、乳酸菌LG21とピロリ菌の話をします。
ピロリ菌を抑制する効果があると言われる乳酸菌・LG21を配合したヨーグルトを、1年間、毎日摂り続けたことがあります。
長年、胃の中に棲み続けているピロリ菌をやっつけるためです。
しかし、乳酸菌LG21配合のヨーグルト摂取だけでは、ピロリ菌を除去できませんでした。最終的には、抗生物質による治療をおこない除菌しました。
LG21は酸が強い胃のなかでも増殖できる乳酸菌として、ピロリ菌の増殖を抑える効果が期待されるわけですが、完全な除菌は難しいようです。
抗生物質によるピロリ菌の除菌治療と同時に、乳酸菌LG21を摂ることを推奨する記事を見つけたのは、治療が終わってからでした。
ロイテリ菌のはたらき
ロイテリ菌には、胃酸にも負けずに腸までとどいて、「ロイテリン」という天然の抗生物質を産生して悪玉菌の増殖をおさえる働きがあります。
歯科用医療関連製品の開発・販売を行う株式会社 ADI.Gの資料では、ロイテリ菌には次のような働きがあると説明しています。
ロイテリンと呼ばれる天然の抗生物質を分泌して、虫歯菌や歯周病菌、胃のピロリ菌、腸の病原菌などを殺菌・抑制する。
LG21での経験から言えば、ロイテリ菌を摂ることによって、ピロリ菌の増殖が抑えられたとしても、完全に除菌するのは難しいと思います。
ロイテリ菌が腸まで届くことを考えると、消化器系への働きも当然考えられるわけですが、国内では【機能性関与成分】としてのロイテリ菌の機能は、”歯ぐきを丈夫で健康に保つ ”に限定されています。
ロイテリ菌については、海外での研究が進んでいて、ウィキペディアによれば、スウェーデンのBioGaia社は保健効果のある重要なL. reuteriの菌株の多くを所有しているとのこと。
このBioGaia社によって正式にライセンスされたロイテリ菌を使っているのが、オハヨー乳業株式会社です。
2020.10.7現在、ロイテリ菌を【機能性関与成分】として製品に配合しているのは、オハヨー乳業だけ。
オハヨー乳業では、『ロイテリ ヨーグルト』と『ロイテリ お口のサプリメント』の2種類を販売していて、どちらも1日目安2億株ものロイテリ菌(DSM 17938)を配合しています。
オハヨー『ロイテリ お口のサプリメント』の口臭ケア効果
BioGaia社がライセンスしているロイテリ菌は、ヒト由来で、WHOが定めるプロバイオティクスの条件をすべて満たしています。
しかし、多くの口腔ケアサプリは、ロイテリ菌の由来や配合量が明記されていません。
安価な商品もありますが、サプリメントを価格だけで選ぶのは不安が残ります。
ロイテリ菌の配合量は、原材料名の記載順を見ればわかりますが、長く使い続けるサプリメントは、主要成分の由来がわかる商品を使うことをおすすめします。
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