口臭の原因のほとんどが口の中にあると言われますが、その多くは歯周病と舌苔(ぜったい)によるものだそうです。
コロナ禍でマスクを着ける習慣ができてから、自分の口臭に気づかされることも増えました。口臭を消そうとしてこまめに歯磨きをしても、ニオイが消えないようであれば、舌苔が原因かもしれません。
舌の表面には、乳頭と呼ばれる突起があり、正常な状態でもざらざらしています。ここに汚れがたまり細菌が繁殖することで、舌苔ができます。
「舌苔」を病気として認識している方は少ないと思いますが、公益社団法人 日本口腔外科学会のHPでは、口臭の原因となる主な病気の一つとして、「舌苔」を挙げています。
舌の奥の黄色っぽいドームは?
かかりつけの歯科医師から見せられたモニターに、いくつかの黄色っぽいドーム状のものが映しだされていました。それが、自分の舌苔だと知ったのは、医師の説明を受けてから。
舌苔というと、鏡の前で舌を出したときに見える範囲のものという認識でしたから、舌の奥のほうまでチェックしたことはそれまでありませんでした。
クリニックの検査では、歯や歯ぐきのアップや裏側を見るためにスコープを使いますが、あるとき舌の奥の表面をクローズアップして見せてくれたのが、黄色っぽいドーム状の舌苔。
つやつやした黄色っぽいドーム状のものは、日ごろ見慣れている白っぽい舌苔とはまったく異質。見てはいけないものを見てしまった、そんな印象です。舌苔への認識が変わった瞬間でした。
色によって違う舌苔の原因
舌の表面に付いた白っぽい付着物ですが、黄色っぽいときにはニオイも強くなるようです。また、黒っぽい舌苔もあり、それぞれできる原因が違うようです。
電動歯ブラシのメーカーであるフィリップス社のHPでは、舌苔の色による違いを次のように説明しています。
- 白く厚ぼったい舌苔
・舌苔が白く厚ぼったくなっているときは、胃腸が弱っている、あるいは、風邪など感染症の初期段階で現れることがあるそうです。健康であれば、うっすらとした白い苔舌の下に舌の色が透けて見えるとのこと。 - 黄色っぽい舌苔
・体の抵抗力が落ちて、胃腸のバランスが崩れると、舌苔や黄色っぽくなるとのこと。食べすぎで胃炎を起こしているとき、風邪で高熱が出ていたりするときも黄色っぽくなり、口臭が強くなります。 - 黒ずんでいる舌苔
・体力が極端に低下していたり、なんらかの重い病気が進行しているとき、服用している薬の影響がでている可能性も。病院での診察を受けたほうがいいようです。
舌苔がほとんどないこともありますが、必ずしも健康というわけではないようです。抵抗力が落ち、全身が衰弱している状態で、貧血を起こしていることもあるようですから、要注意!
舌ブラシの使い方を間違えると悪化することも
歯磨きだけでなく、舌ブラシによる舌苔ケアを毎日の習慣にプラスすれば、口臭ケアだけでなく、カラダの健康チェックにも役立ちます。
でも、舌ブラシの使い方を間違えると、舌苔を取り過ぎたり、舌の表面を傷つけて乾燥させてしまうことも。
さらに、舌苔には粘膜を保護する役割がありますから、必要以上に舌苔を取り過ぎると、かえって舌苔を増やしてしまい、口臭が以前よりひどくなってしまうこともあります。
私の場合、舌ブラシを初めて使うときに、口腔外科の専門医から指導を受けました。しかし、舌苔を早く除去したい一心で、その指導を守らず毎日ゴシゴシ擦り過ぎた結果、舌の表面をひどく傷めてしまった経験があります。
ヒリヒリした痛みが舌にいつまでも残り、舌の感触が元に戻るまで、1ヶ月以上かかったでしょうか。口臭が悪化する可能性だけでなく、不快感もしばらく続きますから、あせらず時間をかけてケアするのがポイント!
正しい舌ブラシの使い方・3つのポイント!
舌ブラシをじょうずに使うコツは、使い過ぎないこと。といっても、なかなか加減が難しいですね。使い初めのときは、どうしても頻度が多くなったり、強く擦り過ぎたり。
専門医から、舌の奥にある黄色っぽい舌苔の画像を見せられると、気持ちがつい焦ってしまうんですね。そんな反省を込めて、舌ブラシを使うときは、つぎのルールを守っています。
- 専用の舌ブラシを使う
・歯ブラシで軽く舌を擦って、舌ブラシの代用にすることもできますが、毛の硬さや摩耗具合など、擦る加減が難しく、舌を傷める原因にもなります。専用の舌ブラシを使いましょう。 - 2~3回やさしく撫でるように滑らす
・舌ブラシを舌に押し付けてゴシゴシやると舌の表面を傷めます。やさしく2~3回、舌ブラシで舌を撫でるように舌の奥から手前へ滑らすとちょうど良い具合。 - 舌ブラシは毎朝1回!
・舌ブラシを使い過ぎると、舌の表面を傷めます。1週間に2~3回を推奨する専門医もいますが、口の中が一番汚れている朝一番に舌ブラシを使うのがおすすめ。ただし、口の中が乾燥していると、舌が傷つきますので、あらかじめ水を含むと良いでしょう。また、舌ブラシを使ったあとは、しっかり口をすすぎます。
舌ブラシを使うのは1週間2~3回という専門医もいるぐらい、舌の表面はデリケートです。皮膚の表面や粘膜を思い浮かべていただければ、いかに繊細かがわかると思います。
舌ブラシを正しく使えば、少しづつ舌苔が改善していきますが、早く舌苔を除去しようと焦って舌を傷めると回復するのにかなりの時間がかかります。
とにかく焦らず、毎日やさしくケアしているうちに、気づいたら舌苔の状態はかなり改善していると思います。
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口内フローラのバランスを整える
口内フローラは、腸内フローラと同じように口の中で善玉菌と悪玉菌が共生している細菌叢のこと。
口内フローラの悪玉菌は、虫歯や歯周病に深く関係していますが、舌苔に棲む細菌も食べカスや粘膜のカスなどを分解して、嫌なニオイを作り出しています。
近年、乳酸菌を配合して口内フローラのバランスを整えるサプリメントが注目されていますが、その理由は口臭や歯周病などのケアにつながるだけではありません。
口内の悪玉菌が増えると、虫歯や歯周病の患部から悪玉菌が侵入し、血管に流入し動脈硬化の原因となったり、がん・糖尿病の罹患リスクが高まるからです。
乳酸菌飲料メーカーのオハヨーが販売している機能性表示食品『ロイテリ お口のサプリメント』には、スウェーデン BioGaia社(バイオガイア社)からライセンスされたスーパー乳酸菌「ロイテリ菌」が使われているそうです。
サプリメントは、すぐにその効果があらわれるわけではありませんが、舌ブラシと同じように、毎日のケアで少しづつその効果を実感できるようになります。
まとめ
舌苔は、カラダの不調や毎日のケアによって、白っぽく厚く積もったり、黄色っぽくなるなど、口臭悪化の原因になります。
口臭の原因となる病気の一つとして考えられている舌苔ですが、舌苔には粘膜を保護する役割があり、除去し過ぎると乾燥が進み、さらに舌苔がひどくなってしまいます。
舌ブラシでの舌苔ケアは、私に限らず、ついやり過ぎてしまうことが多いようです。なんといっても、焦らないことが上手な舌苔ケアのポイント!
舌苔は、歯周病と同じく口臭の大きな原因ですが、不快な口臭そのものは、口内細菌が食べ物や剥がれ落ちた粘膜のカスなどを分解するときに発生します。
舌ブラシで舌苔をケアし、口内の善玉菌を補うことは、口臭予防にとても効果的ですが、あわせて健康管理にも役立ちそうです。
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